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【レポート】施設のイノベーションが日本を救う ファシリティマネジメント シンポジウム in 名古屋

【レポート】施設のイノベーションが日本を救う ファシリティマネジメント シンポジウム in 名古屋

2026年7 3日、名古屋大学東山キャンパス オークマホールで、JFMAが主催する「ファシリティマネジメント シンポジウム in 名古屋」が開催されました。第1部では、名古屋大学東山キャンパスの共創空間「ComoNe」を、恒川教授の解説とともに見学。第2部のシンポジウムでは、「施設のイノベーションが社会や未来をどう変えるのか」をテーマに、基調講演やJFMA賞受賞企業講演、座談会を通して活発な議論が行われました。

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開会あいさつ

2部のシンポジウムでは、成田一郎専務理事による開会あいさつに続き、米倉誠一郎会長からはファシリティマネジメントの重要性が語られ、「攻めるFM」への方針転換が宣言されました。

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米倉会長プレゼンテーション

基調講演:共創の場をつくるFM―ComoNeから考える地域と組織の未来

恒川 和久
名古屋大学教授、施設環境計画推進室室長

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名古屋大学 恒川教授

基調講演では、名古屋大学のキャンパスマスタープランとファシリティマネジメントの30年間の取り組みが紹介されました。名古屋大学東山キャンパスは東西1.4キロ、約70万㎡の敷地に約260棟の建物があり、約2万人が生活する都市のような規模であること。1995年に策定されたキャンパスマスタープランの骨格は30年間変わらず、登録有形文化財に指定されている豊田講堂からグリーンベルトへの軸線が中心となっていること。2004年から2020年の16年間で、大規模改修6万㎡、新築・増改築6万㎡と大規模改修と新築がほぼ同じ割合で実施され、計画的なストック活用の成果として評価されています。共創の場、ComoNeCommon Nexus・コモネ)は、2020年の東海国立大学機構設立をきっかけに事業化され、著名建築家による設計競技を実施。小堀哲夫建築設計事務所の提案が最優秀賞を受賞し、谷地を再現した屋根構造と20か所の入口を持つ設計が採用されました。202371日にオープンし、ロフトワーク社に運営委託され、開業から1年で100万人の来場者を突破したことが報告されました。運営費は、当初の大学負担から自立運営への転換という運営上の課題も率直に語られました。

また恒川教授は公共施設マネジメントの課題についても言及し、「理解がない、金がない、愛がない」という共通の悩みを指摘しました。蒲郡市の取り組み事例では、2016年に公共施設マネジメント基本方針を策定し、適正化・効率化・魅力・安全安心を柱とした計画を推進していることが紹介されました。全市利用型施設の複合化・集約化と地区施設の地域コミュニティ機能集約を進め、住民参加型のワークショップを全中学校で実施しています。
さらに今後の公共FMに求められるのは、公共ストック全体を活かした「場づくり」の視点であると述べられました。

*東海国立大学機構は、20204月、岐阜大学と名古屋大学という2つの国立大学法人による県をまたいだ法人統合により、わが国初の一法人複数大学制度による国立大学法人として設立。

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ComoNe 大階段
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ComoNe KOAGARI

JFMA賞受賞企業講演:ファシリティマネジメントを活用した事業推進への挑戦

佐藤 章弘
株式会社丸天産業デザイン部 部長

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株式会社丸天産業 佐藤部長

20JFMA賞優秀ファシリティマネジメント賞を受賞した丸天産業の佐藤章弘部長からは、創業76年の中小企業におけるファシリティマネジメントの実践事例が紹介されました。2001年に社長がFM資格を取得したことに始まり、現在は21人がFM資格を保有しています。2018年から「Maruten 2.0」として組織改革に着手し、人材定着に向けた業務改革、属人化業務の見直し、若手メンバー活躍促進プロジェクトを実施。

2022年からの新社屋建設では、「会社の未来をつくる」ことを重視し、柔軟な組織体制、働き方改革とともに変化し続けるオフィスの構築が進められました。20236月に完成した新社屋は、多様な価値観・強みを持った人達が集う場所として、働きやすく創造性を高め、PDCAサイクルを活用したマネジメント体制を構築し、経営会議がFM事務局を兼ねることで、組織の意思決定を直接、FMに反映できる体制を整えました。効果測定では、3年以内の若手離職率が25.8%から15.1%に改善し、女性社員比率が31.1%から38.9%、女性管理職比率が10%から40%に向上したことが報告されました。
また20269月に親子が同じ空間で過ごせるコワーキングスペース「KODOMOTO」の新規事業開始が発表されました。
JFMA賞優秀FM賞 ファシリティマネジメントを活用した事業推進への挑戦

座談会:施設のイノベーションが日本を救う

米倉 誠一郎×恒川 和久×佐藤 章弘×板谷 敏正(JFMA理事)×似内 志朗(JFMA理事)

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座談会

米倉会長からは、日本の深刻な財政状況について説明されました。家計に例えると、年収50万円に対し支出100万円、借金1,500万円という状況で、社会保障費32万円、借金返済22万円、インフラ整備5.3万円、教育費4.7万円という配分になっています。こうした現状を変えていくためにも「攻めるFM」への方針転換が宣言されました。さらにJFMAとして「3,000 兆円不動産ストック その活用へ向けた提案2026」を行ったこと。板谷敏正・似内志朗両理事からは、提言の概要とアダプティブ・リユースの普及促進を推進することが表明されました。
JFMAからの提言


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東海国立大学機構 Common Nexus

ComoNeの見学会も開催されました。

企画・運営に多大なるご協力をいただいた恒川和久先生、ご講演いただいた丸天産業の佐藤章弘さまをはじめ、ご参加いただいた皆さま、運営にご協力いただいた関係者の皆さま、誠にありがとうございました。                 

JFMAジャーナル 編集長
仲田 裕紀子