企業ファシリティマネジャー
突然ですが、もしタイムマシンがあったら過去と未来のどちらに行ってみたいですか?
今も昔も、ドラマ、映画、アニメなど時空を超えてタイムスリップするストーリーが人気である。古くは『ドラえもん』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、最近では『侍タイムスリッパ-』や『不適切にもほどがある』など。タイムスリップは「やり直したい」「未来を知りたい」「歴史の真実を知りたい」という人間の根源的な欲望に刺さるテーマであり、妄想の世界が広がり、エンタメ性があるということか。
人は誰しも、「あの時ああしていれば…」「この先どうなるか知りたい」「後悔しない選択をしたい」と思うことがしばしばある。特にファシリティマネジメント(FM)に携わる仕事をしていると地球環境、社会的課題、会社・団体の事業課題などさまざまな外的・内的要因を踏まえた環境変化を予測しながら施策立案、実行をしていくことが求められる。そんな時、タイムマシンで未来を覗いてこの先どのような変化が起こるのを見てくることができれば無駄なことや失敗をしなくて済む。いやしかし、よく考えると未来を覗いてきて施策を考え実行するということは、過去に実行した結果の現実を覗いてきたということになる。となると、そこには未来を見て未来を変えることはできないというパラドックスが生じる。
現代社会は予測困難な時代ともいわれている。戦争による世界の混乱、パンデミック、自然災害などなど自分たちではどうすることもできない外的要因に満ち溢れている。
現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッガーは「未来を予測する最良の方法は、それを創ることだ」という言葉を残している。これには未来や結果を予測するだけでなく、自らの手で未来を創る人間であれというメッセージが込められている。
たとえタイムマシンがあって未来を覗くことができたとしても、結局は次世代に引き継ぐ明るい未来を築くことは自分たちの今の行動にかかっていることに疑いの余地はない。そのためには、ファシリティマネジメント(FM)をしっかり学んで実践することも、より良い未来を創るFM(Future Management)にも通ずることであろう。
ちなみに生成AI(Copilot)に「タイムマシンは技術的に作ることができるのか?」と質問を投げたところ、「現在の科学技術では、設計理論も実用技術も存在していないためタイムマシンは作ることができない」との回答であった。
「FM玉手箱」は、ファシリティマネジメントを実践するプロフェッショナルによるエッセイシリーズです。FMへの想いや知見を詰め込んだ“玉手箱”(=価値ある情報が詰まった箱)として、JFMAジャーナルオンラインでお届けしています。