コクヨ株式会社 ワークスタイルリサーチ &アドバイザー、FCAJ 理事
コロナ禍以降、リアルなオフィスの意味が問われましたが、いまはオフィス回帰の流れがあります。リアルなオフィスだからこそのシーンは、ぱっと生まれるブレインストーミングや集中の合間の雑談、臨場感のあるイベント的なもの等々、働く楽しさとも関わるものです。さらに、企業も自治体も「共創」を目的としたリアルな場づくりに関心を寄せています。イノベーションを生み出したり、難しい課題の解決策を考えたり、複数人が智慧を持ち寄り、新しい知を共創することが求められています。
共創はエコシステムをつくること。共創施設はそのハードだけではなく、新しい知を生み出す関係づくりが重要です。私自身が関わっている場のなかで、ある大企業の共創施設は今年で5周年を迎え、また、クリエイティブラウンジの先駆的な場は来年で15周年を迎えます。共創施設はだいたい、3年くらいで見直しをかけていきますが、社会の変化が激しいなかで生き残っている場は、運営面でフレキシブルにアップデートし続けているように思います。
共創は成果がみえるまで時間がかかるため、運営者はKPIや人・資金繰りに苦労することが多いと実感しています。それを乗り越えるためにも、小さな成果の積み重ねによって理解者を増やし、活動をより広げていくことが、結果として大きなインパクトにつながっていきます。まず自分自身がやってみる。そこには勇気が必要で、転んでも大丈夫だと思える仲間づくりを私は大事にしています。
「FM玉手箱」は、ファシリティマネジメントを実践するプロフェッショナルによるエッセイシリーズです。FMへの想いや知見を詰め込んだ“玉手箱”(=価値ある情報が詰まった箱)として、JFMAジャーナルオンラインでお届けしています。