第19回(2025)

優秀FM賞

  • ワークプレイス
  • 働き方改革
  • ライブオフィス
  • 環境対策

“目的地”となるオフィスを実現する“アジャイル”FM戦略

森トラスト株式会社

“目的地”となるオフィスを実現する“アジャイル”FM戦略

FM の背景

森トラスト株式会社は、日本都心部の大型複合開発や、主要リゾート地でのホテル&リゾート事業を手掛けてきた不動産デベロッパー。「時代に合わせた働き方やオフィスの在り方を模索・体現する」というオフィス事業者としての経営課題の元、2017 年頃より本社リニューアルやテレワーク導入等、様々な取り組みを実施してきた。

その中で、2020 年以降テレワーク増加による会社への愛着の希薄化、Web 会議増加に伴う音声環境の悪化等、新たな課題が当社および社会全体で散見されるようになった。これらの課題解決とオフィス事業者として新たな働き方追求のため、本社移転PJ を発足。2021 年に社内公募制のワーキンググループを組成,様々な実験を実施しながらPJ を推進し、2023 年5 月に本社移転を実行した。

本社移転PJ を通じたFMの加速

新本社では、「社員が自然と訪れたくなる場」をつくると共に、時代や社会に合わせて「変化させていく」ことで目的地であり続けることが重要であると考え、コンセプトに「目的地」と「可変性」を掲げた。また、移転後も運用・検証・改善を繰り返し、進化し続けるオフィスを体現するFM 体制を構築している。

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本社移転プロジェクトの発足経緯とオフィスコンセプト

FM の具体策

① コンセプト「目的地」「可変性」の具現化 
自分らしい働き方を実現する目的地(DESTINATION)となるため、社員がオフィスに求める要素を「ENERGY」「SYNERGY」「COZY」の3つに分類し、これらを兼ね備えたオフィスを構築。
什器や壁を固定化せず全体の約80% に可変性を持たせ、予測できない未来の変化に対し柔軟(AGILE)なレイアウト変更が可能。セミナーや懇親会など多様なシーンにも対応できる仕様とした。

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オフィスコンセプトを実現する空間の機能と仕組み

② データを活用したアジャイル改善 
自社開発のワークスペース管理ツール「WORK AGILE」により、社員の位置情報把握および利用状況の可視化を行う。アンケート等から抽出した要望や課題を解決するため、収集したデータをレイアウト変更等の判断材料として活用し、アジャイルな改善を実行している。

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データを活用した運用改善とノウハウの社外発信

③ 対外発信の強化  
取引先等にオフィス内覧ツアーを実施し、オフィス運用のノウハウやアジャイル改善の成果等を発信、意見交換を行っている。また、「これからのオフィスの在り方」をテーマに、課題解決から最新トレンドまで幅広い有益情報を提供するセミナーを定期的に開催している。

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様々なオフィスの活用事例

④ 経営・環境・社会への貢献  
通常、オフィス貸室は天井ボード・カーペット仕上げで引き渡し、内装工事により不要となった在来仕上げ材は廃棄される。本PJ では、スケルトン天井・OA フロア仕上げで引き受けたことで、通常想定時と比較し産業廃棄物は約40% 削減を達成。またサステナブル材を使用した執務用品を積極的に導入する等、環境に配慮している。

FM への評価

オフィスに対する社員満足度は移転前~移転直後~移転1年後にかけて向上。さまざまなイベントを通じて会社への愛着も醸成されるようになった。また、第37 回日経ニューオフィス賞「ニューオフィス推進賞」を受賞し、対外的な評価も得られた。
今後もアンケートやオフィスデータ分析を通じて改善を推進し、新たな働き方を追求・発信することで、オフィス事業者としての社会貢献を果たしていく。

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生産性向上と社内の一体感を醸成する執務エリア
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カジュアルなリフレッシュ空間・社内ラウンジ

●サービス提供者
・森トラスト・ビルマネジメント株式会社
・株式会社オカムラ
・SIGNAL Inc.
・株式会社建築設備設計研究所

●講評
大手不動産企業の本社オフィスと働き方改革に関する応募。2020 年から計画し、2023 年5 月に入居開始。アフターコロナを意識した総合的で多面的なワークプレイスと働き方の改革といえる。5 フロア分散から1 フロアに統合し、コミュニケーションの改善、部署間の連携強化などを図っている。「人の集まる目的地となる」「変化に対応しやすい可変性」がコンセプト。「トライアルエリア」という入居後の変化に対応可能なスペースがある。基本はABW だが、部署別のBASE と併用している。今後のFM 推進体制には少し不安もあるが、ワークプレイスは計画通りにフレキシブルな使い方がされ、活用されている。