第19回(2025)
最優秀FM賞(鵜澤賞)
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
富士フイルムビジネスエキスパート株式会社
富士フイルムビジネスイノベーションおよび富士フイルムビジネスエキスパートは国内関連会社及び国内統括販売会社のファシリティ業務を遂行している。今回、2013 年~2024 年までの10 年の「経営の想いを具現化し、進化しつづける」FMの取り組みについて3 つのステージで説明する。
1st STEP: 新たな投資への原資の創出(2013 ~)
取り組みを開始した2013 年当時、ファシリティに関するコストの中で地代家賃のコントロールが経営課題となっており、家賃減額交渉やスペース適正化による部分解約、拠点統廃合などのコストコントロール活動を実行した。そして、経営からは同時に営業の働き方改革も求められ「いつでも・どこでも・誰とでも」働ける環境として制度などとともにオフィス環境の整備を行い生産性の向上を促進した。これらにより、賃料の約▲30% 削減の成果を得ることができ、これが次の新たな投資への原資となった。

2nd STEP: 利用者視点のオフィス創り(2019 ~)
2021 年、国内の営業部門及び全販売会社統合した富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社が設立され、オフィスは「交流し交感できることで新しいものを生み出す場」という考え方のもと、センターオフィスとして豊洲ベイサイドクロスタワーに本社を構えた。プロジェクトでは、若手メンバーによる「未来のオフィス検討タスク」が立ち上げられ様々なアイディアを集約した。そして「いつでも・どこでも・誰とでも」という働き方をTeamで実現するTeam ABWという考え方を生み出し、それを実現するオフィスを完成させた。現在この考え方を全国へ展開している。


3rd STEP: 新たな取り組みへの原動力(2023 ~)
2023 年11 月新宿ファーストタワーにバックオフィス・開発等スタッフ系の富士フイルムグループ関連会社8社を統合移転した。このプロジェクトの特徴は経営の想い「グループシナジーによる企業力の向上」と「従業員のエンゲージメント向上」を具現化するため、会社を超えた風土醸成やWell-being をファシリティがリーディングしていることだ。プロジェクトだけで終わらせず移転後もオフィスコンセプト(FACEs)や企業パーパス体現するため、コミュニティリーディングチームを設置しイベントなども積極的に仕掛けている。レイアウトは、スタンダードを置きながらも各社が働き方を自ら考え選択できるよう工夫し、ディスカッションを重ねることで働き方への意識を大きく変化させるきっかけづくりを図った。


これらの取り組みは一過性ではなく、次のステップに進んだ後も新たな取り組みの基盤として継続をしている。1st STEPではFMにより、コストコントロールと働き方変革を両立させ業績貢献した。2nd STEP では与えられるオフィスから自ら関与するオフィスづくりをすすめることにより、オフィスの活用や効果を高める関与化型FM を推進してきた。そして3rd STEP ではFM によって文化や風土醸成を行い、会社の成長を支える人づくりへの貢献活動を推進している。今後もファシリティマネジメントサイクルを継続的に回し、経営の思いを実現させるべく進化しつづけていきたい。

●サービス提供者
・株式会社アイキューブソリューションズ
・株式会社シープランニング
・三井不動産ビルマネジメント株式会社
●講評
本応募は2013 年~2024 年までの全国の賃借ビル330 件を280 件に統合化すると同時に、ワークプレイスの改革を行った約10年間のFM 活動についてのもの。全国賃借拠点の配置最適化・賃料適正化を契機として始まったこの活動は、経営陣と毎月進捗状況を共有する経営活動という特徴がある。また、チームABW 型導入など、働き方改革と連動した全国展開、従業員のエンゲージメント向上などが課題として加わっている。その成果は、オフィス賃料の約30%削減、拠点数50 件の削減となっている。従業員のウェルビーイング、業務効率向上サポートの評価と施策改善も継続的に進められている。とくに、10 年以上にわたり、拠点統合化とワークプレイス改革をねばり強く継続し、経営陣に毎月リポーティングを重ねてきた同社のFM 活動に敬意を表したい。