第18回(2024)

優秀FM賞

O ³(大阪おせっかいオフィス)いきたくなるオフィス

日建設計コンストラクション・マネジメント株式会社

O ³(大阪おせっかいオフィス)いきたくなるオフィス

自己変革のショーケースとしてのオフィスづくり

日建設計コンストラクション・マネジメント(以下、NCM)は、母体である日建設計から2005 年に独立した、建築のマネジメント・コンサルティング会社です。当社は、建築の専門家集団として、時代に即した働き方の変革の必要性をお客さまに問う立場である一方、自社の変革が手付かずであるという課題を抱えていました。コロナ前に立ち上がったNCM 大阪オフィスのリニューアル計画は、コロナ禍でその目的も変遷し、当社自らが変革のショーケースとなることを目指し、2023 年5 月に開所しました。

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ワークスペース

コンセプトは “ おせっかい” でいきたくなるオフィス

コロナ禍で社内コミュニケーションの重要性が増してきました。大阪は日本における“ コミュニケーションの街” です。大阪ならではのコミュニケーションや組織風土を表すパワーワードとして「おせっかい」にたどり着きました。コロナ禍で一度切れてしまったつながりを「おせっかい」の力でつなぎなおすという想いを込め、「いきたくなる、おせっかいを」というスローガンが生まれ、おせっかいなコミュニティ形成がテーマになりました。

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5つの挑戦的取り組み

NCM 大阪オフィスでは、ソフト・ハードともにさまざまな試みをしましたが、ここではソフト面の5つの挑戦を紹介します。

①エクスペリエンスデザイン(体験設計)
機能やスペックからではなく、ユーザーの体験からオフィスを設計するプロセスを踏みました。現社員だけではなく、未来の社員、ゲスト、地域のコミュニティ等幅広くユーザーを定義し、それぞれに期待する体験を、社員ワークショップを通じて抽出しました。

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イベントの様子

②ウェル&サステナビリティ
WELL 認証の取得に挑戦し、ゴールドレベルを取得しました。また、当社のサステナビリティ活動の一環である「木を伐る活動」による木材の活用や、廃棄時のCO2 の大幅削減の取組み等を行いました。

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③アート&スタイリング
社員の創造性に働きかけるしかけとして、空間の至るところにアートを配置し、また、小物や備品により、家に帰ってきたような演出をする“ スタイリング” を施しました。

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働く場にこそ働く場こそアートを。まるで家のような演出がされたオフィス

④専任のコミュニティチームの配置
“ 人と人をつなぐのは人”という考えの下、専任のコミュニティマネジメントチームを組織し、常駐配置しました。日常的な社員とのコミュニケーションからイベントの企画、ファシリティの管理まで幅広い任務を担います。

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⑤パーソナルコンシェルジュの導入
私生活における幸福度は、労働生産性と強い相関があるといわれています。これまで日本社会で見過ごされてきた社員の私生活の支援を再考し、Quality of Work Life の充実を目的とし、社員の相談相手となるパーソナルコンシェルジュサービス(TPO 社)を導入しました。

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OLD ビルに対するテナント発信の新価値提案

淀屋橋界隈は再開発事業が進行中で、2025 年の完成時には新しいオフィスビルとの厳しい競争に晒されます。NCM 大阪オフィスは、築60 年を超えるOLD ビルのイメージを刷新する空間や設備・機能を備えており、また、外部に開放されたエントランスは、テナント同士の関係性や共用部のあり方を、テナント発信で新たな価値の提案をしています。

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コミュニティマネジャー企画のスナック イベント

●サービス提供者
・株式会社日建スペースデザイン
・株式会社ヴォンエルフ
・株式会社日建設計総合研究所
・株式会社TPO
・Ash Every Design Office

●講評
CM(コンストラクション・マネジメント)業務を中心としたマネジメントとコンサルティング企業の自社オフィスの改革に関する応募である。社内・社外に向けた実験的なパイロットプロジェクトと位置づけられている。①企業の働き方戦略をまず定める、②ワークプレイスはオフィスではなくエコシステムとなり、選択的に働く体験をする、③専任のコミュニティマネジャーの配置、④ワーカーのライフを徹底してサポートするパーソナルコンシュルジュサービスの導入など、多面的で総合的な検討と実行がされている。単なるオフィスの改革ではなく、社会や地域経済まで視野に入れ、築60 年のビルでのリニューアルを選択するなど、経営課題についても包括的に検討されている。また、FM 推進体制についても、プロジェクトチームがFM 推進チームをサポートする体制とし、運営維持段階でも目標設定とKPI、評価方法を用意してPDCA サイクルを回す仕組みを構築している。稼働は2023 年5 月で、プロジェクトの評価と運用実績評価により、改革・発展を継続することが、今後の課題である。また、この大阪での改革をテコとして、東京と名古屋の拠点と働き方の改革・発展にも期待したい。