第16回(2022)

優秀FM賞

  • ワークプレイス
  • 働き方改革
  • エンゲージメント
  • ファシリティマネジャー

竹中工務店本社ファシリティ再整備-新たな価値創造を目指して-

株式会社 竹中工務店

竹中工務店本社ファシリティ再整備-新たな価値創造を目指して-

社会とお客様にとって最良のパートナーに

当社では2014年、新経営計画「2025年に向けたグループ成長戦略」が示され、「社会とお客様にとって最良のパートナーに」なるために、そのFM的施策として全社のファシリティ再整備を開始しました。FM戦略のゴールを全拠点共通で「新たな価値創造と生産性向上」とし、活き活きと働ける生産性
の高い「働く場づくり」とともに、時代に則して変化し続けられるよう継続的に評価・改善する「仕組みづくり」の2つの方策を立て実施しました。

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ファシリティ再整備の取り組み《プロセス》

対象拠点は、国内常設オフィスとして使用している本店支店ビル12拠点+外勤70拠点です。外勤70拠点は、全国の都道府県にある地区FMセンター*や営業所です。

パイロットモデル拠点づくり
建設会社では、主に建設現場等に携わる外勤と、比較的規模の大きい本支店オフィスで働く内勤があります。外勤と内勤は働き方や拠点規模に違いがあり、まず、それぞれのパイロットモデル拠点づくりから開始しました。内勤大規模拠点のパイロットモデルを大阪本店御堂ビルにて、外勤小規模拠点のパイロットモデルを、東京、名古屋、大阪の地区FMセンター計6拠点にて実施しました。

モデル拠点から全国へ展開
パイロットモデルを基に、ワークプレイス構築業務マニュアルや什器の規格を定めました。内勤大規模モデルの大阪本店を他の本支店等11拠点へ展開、外勤小規模モデルの地区FMセンター6拠点を全70拠点へ展開しました。現在は、維持改善活動を行う「チューニングチーム」が活動を継続しています。

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ファシリティ再整備の取り組み《プロセス》

ファシリティ再整備の取り組み《成果》

①経営への貢献
状況に左右されない強い体質への転換
・人を支えるしくみ:健康に働く仕掛け、しくみづくりの整備
・施設資産の効率化:スペース再配分による多様な環境の整備、利用度向上

持続的な利益成長の実現
・既存事業の強化:BIMスタジオ整備による生産性向上
・新規事業の育成:社外にも開かれた共創スペースを整備、オープンイノベーション推進による新たな価値創出、お客様対応力や社外連携、地域との共創を強化

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②ファシリティ利用者への貢献
計画時:社員参加型による施設計画の自分事化
運用時:定性×定量調査の評価分析に基づくフィードバック、WELL認証取得等などによる心身の健康力向上、オフィスコンシェルジュによる人と情報の連携と新たな価値創造の支援

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③時代のニーズへの対応
・持続可能な建築-既存ビルの価値再創出

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持続可能な建築 既存建物の価値再創出

・持続可能な地域社会の実現-地産材活用

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持続可能な地域社会の実現

・New Normal 時代に向けた取り組みと提言

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NEW NORMAL時代に向けた取り組みと提言

新たな価値創造を目指して

FM のゴールの根底にあるのは、突き詰めれば社員一人ひとりの成長や幸福。それがお客様への貢献、会社の成長に重なって欲しいという願いがあります。故に自分事化できる社員参加型で実施し、今も社員自らチューニング活動( 改善活動)を継続しています。しかし、継続することはつくること以上に難しい!社会や環境、技術が常に変化する以上、働き方も、働く場も、常に変化し、最終的な答えがないからこそFM の継続が重要と考えています。

FM サービス提供者として、自ら経験し合意形成することで、そうした風土を提供者自身が良いと得心し、モノだけでなくコトとして提供することでお客様や社会に貢献します。今後も新たな価値創造を目指しFM を継続します。

* 地区FM センター : 施工建物をお客様に引き渡した後、継続してお客様の事業を支えるパートナーとして維持保全などの業務を担う、作業所兼営業拠点。

●講評
同社における2025年のグループ成長戦略を受けた「従業員の成長を促進し、いきいきと働くことのできる環境づくりとワークライフバランスの向上」を支援するファシリティの再整備に関する応募。同社は東京本店のオフィス新築と5年間の運営活動で優秀FM賞を受賞している(2010年)が、今回の応募は東京を含む全国の拠点(12拠点+70外勤/小規模拠点)を対象とし、全社の働き方改革を支援するものへと発展している。2014年から2021年まで継続中の活動で、改革後の運営維持段階まで「チューニングチーム」がユーザーのヒアリングなどを行い、改善を継続的なものとしている。ブリーフィングが重視され、建築計画の前段階でのユーザーの声を反映した要求条件の作成が徹底され、竣工後の使用段階でのチューニング活動へと受け継がれるPDCAサイクルが回っている。予算と権限をもつFM専任組織があり継続的なPDCAサイクルが担保される体制が望ましいが、ユーザー代表を含むチューニングチームが運営維持段階での改善を担っている。FMサービス提供者が、自らのオフィスにFMを実践した好例。