第16回(2022)
功績賞
株式会社オープン・エー
『公共不動産データベース』(以下「公共DB」という)とは、公共R 不動産(運営:株式会社オープン・エー)が運営する、公共不動産の情報プラットフォームサービスである。地方公共団体等の「自治体会員」は、保有する公共不動産を自ら登録でき、企業・団体・市民等の「民間会員」は、登録された情報の閲覧・検索ができる。民間会員の動向やニーズの把握、自治体会員へのコンタクト、簡易の相談、組織内研修・セミナーの実施、官民対話の支援、個別案件のコンサルティング等の有料メニューも備える。
低未利用の公共不動産を持つ自治体と、これを活用したい民間とをマッチングし、新たな公共空間の使い方を探る実験的なウェブサイトである。

私たちが妄想するのは、低未利用化した全国の公共不動産がこのサイトに登録され、民間プレーヤーが当たり前に検索し、至るところでマッチングが起きる。そんな「公共不動産があたりまえに流通する未来」である。
サイトは、民間目線で閲覧・検索しやすいビジュアルを心がけた。公共不動産情報を個々の自治体サイトにアクセスするのは大変だが、公共DB では写真等でイメージをつかみ統一様式で閲覧・検索できる。自治体は、フォーマットに沿って物件情報、写真、地図等を入力すれば見やすい物件ページが作成でき、活用に関心のある民間会員へ情報発信ができる。
公共DB は、公共不動産利活用の裾野を広げる「しくみのリノベーション」とも言える。
私たち公共R 不動産は、意外な物件に対し、意外な分野の意外な民間から、意外な活用を提案されることがあるのを知っている。時代や社会の変化に応じて、自治体は、従来の民間事業者だけでなく、縁のなかった分野にもアンテナを広げ、新規のプレーヤーにも自ら積極的にサウンディングすることが大切になっている。
自治体によるサウンディング数は年々増え続けている。公共DB は、サウンディング情報の幅広い情報発信にも向いている。民間プレーヤーとの接点を増やし、公共不動産の利活用を促進することは、財政面・人材面で課題を抱えた自治体を助けることにも通じる。
公共DB は、公共不動産利活用の情報流通における公民連携の一形態と考えている。
2020 年4 月に試行開始して以来、会員数・物件数は増え続けており、公共不動産利活用の大きなうねりを感じている。一方、持ちきれなくなった民間不動産が公的セクターに帰属する流れも想定されており、今後民間・公共両方の不動産の流動性がますます高まる必要がある。
公共DB を介して、日本の公共空間が新たに流動するフェーズに入ることを願っている。このうねりを、ぜひ一緒に盛り上げ、未来の土台づくりに協力して欲しい。
●講評
地方自治体による公共不動産の情報発信、公共不動産を活用したい民間事業者の物件検索、活用に向けた官民のコミュニケーション等を支援する情報プラットフォームを構築して運用し、公共不動産活用に貢献している同社の活動に関する応募。自治体会員は自ら情報発信が可能で、見やすいフォーマットがで
きていること、アクセス状況から市場動向を把握することなどのメリットがある。一方、民間会員は、検索性が高いシステムであること、民間事業者の必要な情報を掲載するフォーマットであること、自治体への問い合わせが容易であることなどのメリットがある。現在では自治体会員数は220、民間会員数は870 を数え、その活用が広がり、実際の公共不動産活用につなげた実績も増加している。また、この情報プラットフォームを介して、よろず相談、活用の修、オンラインニーズ調査など、オプションの有料サービスも広げている。東京R 不動産からのマッチングのしくみが見事に展開されている。