第16回(2022)
技術賞
My City Reportコンソーシアム
少子高齢化が進む中で自治体職員の減少も予想され、市民サービスを維持するためにはICTの活用が強く求められています。小規模自治体においては、道路巡回における専門知識を有する道路管理者不足が懸念されています。また、「道路に穴があいています」といった市民からの非緊急通報においては、電話やFax 等が用いられており、現地の位置情報や具体的な状況があいまいなことが多く、その確認に多くの時間と手間を要するのが現状です。
このような背景から生まれたのが、My City Reportです。
道路や公園等の社会基盤施設のマネジメントにおいては、メンテナンスが重要ですが、修繕箇所を発見するためには、点検に多くの労力を費やすことになります。このため、市民自らがスマートフォンから道路や公園等の不具合箇所の写真とその内容を投稿することによって、自治体職員による現地確認の手間を省略でき、迅速な対応を可能にします。
市民投稿のフローは、「不具合発見→写真撮影→投稿」(図表)となり、投稿を受け取った自治体職員のフローは、「投稿の確認→対応方法の検討→対応→対応後の写真撮影→投稿者にフィードバック」となります。市民がフィードバックを受けることにより、協働の意識が市民に醸成され、ファシリティマネジメントの一翼を担う持続的な活動になっていくと期待が持てます。

道路損傷検出アプリを組み込んだスマートフォンやドライブレコーダ型の専用デバイスを自治体の公用車に設置して走行することにより、ポットホールや亀甲状ひび割れ、道路区画線のカスレ等をAI が自動的に検知し、その位置と画像をクラウドに保管します。これにより専門知識を有する道路管理者の不足解消に期待が持てます。
また、道路の損傷状態から、簡易的な路線評価を行えますので、道路補修計画にも活用できます。

My City Report は、道路、公園等の公共施設の不具合のみならず、不法投棄や放置自転車、ごみの散乱や落書き等のあらゆる「こまった事象」について、市民と自治体が解決する「協働の取り組み」をサポートします。
道路損傷検出においては、最新のAI 技術を活用しており、現在は道路損傷だけでなく、標識やガードレール等道路付帯施設の維持管理の実用化に向けて研究開発を進めています。
My City Report コンソーシアム事務局では、無料での試行環境貸与を行っていますので、ぜひご利用いただきたいと思います。
●講評
道路・公園など社会基盤施設のメンテナンスにつなげる点検情報のプラットフォーム構築に関する応募。①市民協働投稿サービス:市民がスマホを使い送信する要メンテナンス箇所の情報を、自治体が活用する。LINE での投稿機能を備える、②道路損傷検出サービス:公用車に搭載するスマホにより、AIが路面の損傷を検出できるアプリを活用する。各自治体のメンテナンス活動につなげる情報プラットフォームの開発と運用では、神奈川県、和歌山県、尼崎市、加賀市、高松市など14 自治体が同コンソーシアムに参加している。作業時間の削減による効率化も本技術の効果が確認されている。「ちばレポ」から発展し、新しいシステムとしてMy City Report となり、全国自治体へのさらなる普及が期待される。