第15回(2021)

優秀FM賞

  • 働き方改革
  • エンゲージメント
  • ワークプレイス
  • テクノロジー・DX

ニューノーマルに向けた分散型イノベーションオフィス

NECネッツエスアイ 株式会社

ニューノーマルに向けた分散型イノベーションオフィス

ニューノーマルに向けた分散型イノベーションオフィス

NEC ネッツエスアイは、ネットワークシステムに関する企画コンサル、設計、構築、保守運用事業を提供しており、現在はDX 技術*1 を駆使し、コミュニケーションに関わるさまざまなサービスを展開、2007 年からはICT を活用した働き方改革を自社で実践している。

*1 DX技術: DX(デジタルトランスフォーメーション)とはAIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用して業務変革する取り組み

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働き方改革のあゆみ

分散型ワークへの挑戦

オフィス構造改革
飯田橋本社を60% 減らし、日本橋にイノベーションベース、首都圏7 カ所にアクティビティベース、川崎にテクニカルベースの計10 カ所での分散型ワークを実践している。
イノベーションベースはお客さま・パートナー・ベンチャー企業が集まる北米Plug&Play との共創により新しいビジネスを創出する場であり、アクティビティベースは飯田橋本社に勤務していた本社スタッフ約200 名が居住地から通勤30 分以内の自社サテライトオフィスで勤務、首都圏の課題である長時間通勤から解放、心身のゆとりを捻出しイノベイティブな仕事に振り向ける目的である。また、東京一極集中の回避と企業のBCP への対策も意図している。

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分散型ワーク 4つのベース
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アクティビティベース 従業員の居住地域を分析
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首都圏7カ所 アクティビティベース

マルチクラウドワークへのシフト
今まで当たり前に隣にいた部下が分散型ワークにより離れて勤務する状況の中で、これまで以上に生産性を向上するには業務プロセスを支える基盤としてクラウドやDX 技術を徹底活用している。

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クラウド×DXで取り組む抜本的なプロセス改革

マネジメントプロセス改革
分散型ワークは自律的で解決力を持った人材が集まり、一人ひとりが自分の能力を活かせるチームで心地よく働く。そのための積極的かつシンプルなマネジメントで改革の組織風土と風通しのよいフラットなコミュニケーション醸成を実践している。

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積極的でシンプルなマネジメント改革

ニューノーマルに向けた働き方

新型コロナウイルス感染拡大は私たちの働き方を大きく変える契機となったが、弊社は感染拡大前から「目的に応じて最適な場を選んで働く」を実践しており、緊急事態宣言下でも在宅勤務へスムーズに移行した。社員アンケートでは65% が「在宅で問題なく業務遂行している」一方、90% が「業務上のコミュニケーションは取れているが日常会話・雑談がなくなった」との回答があった。オフィスでの何気ない会話や見える・気づく・閃くがイノベーションの種になるはずで、ニューノーマルな働く場では、より一層の求心力を持たせ社員の成長を促す仕組み、オフィスで働く価値の再設計をする必要がある。弊社ではニューノーマルに必要な働き方として、以下4つを再検討している。

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ニューノーマルに向けて再検討する要素

組織を超えたコミュニティ形成
自律的コミュニティにより部門、役職に関係なく必要な人を巻き込みながら共創する。

ハイブリッド環境
オフィスワーカーとリモートワーカーの融合する環境がこれからの働き方で必須となる。

臨場感の演出
離れた場所と距離を感じない働き方の工夫、VR や音響/映像技術の探索によりあたかも横で一緒に働いているような環境の演出が必要となる。

情報共有
クラウドサービス・SNS・YouTube なども活用し情報は社内外含め皆とフラットな関係になっていく。

社員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮しイノベーションを創発するためには、心身の健康とエンゲージメントを醸成していく必要があり、今後も定点観測しながら継続的改善活動を自社実践していく。

●講評
2015 年に第9 回奨励賞を受賞した同社の継続的な働き方改革とワークプレイス改革事例の再応募である。今回の応募は、2019 年からの分散型の新しいワークスタイル創造への挑戦が主題である。前回受賞時からの発展は、経営トップの「人材第一」の強い意思がFM に反映しており、ワークプレイスの品質向上につながっている点である。ホームオフィスを含めて、分散しているワークプレイスを常時オンライン接続して、「顔が見える」コミュニケーションに努めている。社長室も常時接続しており、経営トップの思いが反映されている。日本のIT サービスプロバイダーとして、自社の働き方改革、ワークプレイス改革に意欲的である点、それがワークプレイスの質向上につながっている点は評価できる。FM の推進体制はプロジェクトチーム優先のもので、継続性、責任と権限の所在に懸念があるが、全員参加的な取り組みは評価できる。