第13回(2019)
特別賞
青森県
青森県では、2004年度にファシリティマネジメントの導入に着手し、2007年3月に「青森県県有施設利活用方針」を策定するなど、公共建築物の有効活用を組織的かつ継続的に推進している。方針に基づく公共建築物の保有総量縮小等の取り組みを推進するため、廃止となった庁舎等の利活用や利用調整による建築物の共同利用等に関し、「県有不動産利活用推進会議」において全庁的な検討を行い、不用となった庁舎等については積極的に売却等を進めている。
また、公共建築物の長寿命化を推進するため、技術指針等の整備や改修後さらに40年程度使用するための改修工事を行っている。
これらの取り組みを象徴するプロジェクトの一つである「県庁舎耐震・長寿命化改修工事」が、2018年度におおむね完了する。
次世代へ価値ある施設を継承していくために、引き続きファシリティマネジメントの取り組みを推進することとしている。
青森県庁舎の南棟、東棟及び議会棟(1960年竣工)は、耐震性能が不足しているとともに老朽化が進行してきていることから、災害応急対策に必要な耐震性能の確保と、今後40年程度使用することを目標として、2015年10月から2018年11月に改修工事を行った。
国や都道府県の庁舎では初となる減築工事を行うとともに、長期使用のための外断熱化や現行法令への適合、設備に関しても高効率な設備機器への更新等を行うことにより新築とほぼ同様の性能を実現している。
工事は庁舎を使用しながら行い、工事の進捗に合わせた移転や本庁舎オフィススタンダードに基づく再配置等を行っている。
なお、県庁舎同様に改修後40年程度の使用を目標とした長寿命化改修工事は、2017年度末時点までに庁舎や県立学校等の8施設(14棟)、延床面積にして31,361.08㎡が完了しており、2018年度には県庁舎等の2施設(3棟)、延床面積にして28,874.19㎡が完了する予定となっている。
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2007年度から2017年度までの県有不動産利活用推進会議における検討の結果として、廃止庁舎や職員公舎等の売却等が223件、庁舎等の移転・集約等が11件などの方針が決定されており、このうち、その後の売却手続を経て2017年度末までに売却済となったものは195件で、金額にして約36億2 千万円となっている。また、庁舎等の移転・集約等については、11件全てが完了している。
これらの取り組みにより、県有施設の保有面積は、ピーク時の2006年度末の約229 万㎡ から2017度末の約209 万㎡と、約8.7%の縮小となっている。

庁舎等の利用調整事例
むつ警察署の移転新築に伴い遊休となった庁舎(1970 年竣工)を2015 年度に転用・長寿命化改修し、老朽化していたむつ保健所、むつ合同庁舎に入居していた下北地方福祉事務所及び、むつ児童相談所の福祉関係機関を移転集約等した
●サービス提供者
・株式会社日建設計
・奥村・鹿内・盛特定建設工事共同企業体
・張山・日善・弘都特定建設工事共同企業体
・北洋電設・高橋電気工業特定建設工事共同企業体
・弘水・東弘・大管特定建設工事共同企業体
・青森設備・アスモ特定建設工事共同企業体
●講評
第2回最優秀FM 賞を受賞した青森県による、その後の約10年間の継続的FM活動の応募である。県有施設利活用方針に沿った活動により、総量縮減では8.4%の面積削減、11件の移転・集約化が実施されている。売却は195件、36億円の実績がある。また長寿命化改修工事に取り組み、約6万㎡が改修済である。2018年12月完了予定の本庁舎長寿命化改修工事では、減築による耐震補強工事の軽減化、環境性能の向上など、FM的視点による的確な施策が実行されている。本賞受賞後も経営への貢献、利用者への貢献など、約15年にわたり総合的な施策が継続され、実行に移されている点は高く評価される。FM推進組織の確立、公共施設等総合管理計画の施策策定とその継続的な実行という課題をもつ全国の地方自治体のFM活動において、そのよい見本といえる。