第12回(2018)

特別賞

  • リノベーション
  • 地域貢献
  • まちづくり
  • 公共

魚町サンロード商店街におけるリノベーションまちづくり事業

魚町サンロード商店街協同組合

魚町サンロード商店街におけるリノベーションまちづくり事業

リノベーションまちづくり発祥の地

JR小倉駅南口から徒歩10分ほどの場所にある魚町サンロード商店街は、全長108mの商店街である。隣には日本で初めて公道上にアーケードを建造し、北九州随一の都市型商店街として名高い魚町商店街がある。
魚町商店街および魚町サンロード商店街は、リノベーションまちづくりの発祥の地である。魚町サンロード商店街は、リノベーションまちづくりの手法と国家戦略特区の認定により、エリアの再生をなすことができた。

アーケード撤去計画とまちづくり

1978年に魚町サンロード商店街協同組合として法人化し、1980年にアーケードを建造した。
しかし、当初からアーケードの改修費が組合費に組み込まれておらず、建造以来、一度も改修などが行われてこなかった。消防機器は壊れ、屋根材は汚れ、いつ落下してもおかしくない状況であった。さらに商店街の店舗の老朽化や店主の高齢化により空き店舗が増え、商店街は薄暗く、人通りもまばらだった。

2013年8月、組合の定例総会でアーケード撤去計画が議論された。アーケード撤去の費用をまかなうため、商店街内の有志4名と商店街が出資してまちづくり会社、株式会社鳥町ストリートアライアンスを設立した。組合員平等主義の商店街組合を離れ、リスクを遮断して意思決定を迅速化し、収益事業が自由にできるようにした。商店街の管理運営に関し、学識経験者を含めた地域住民との検討が始まり、リノベーションまちづくりがスタートした。

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魚町サンロード商店街におけるリノベーションまちづくり

魚町サンロードカルチェラタン計画

5回にわたるワークショップを開催し、今後の商店街のビジョンを共有した。魚町サンロードカルチェラタン構想というまちづくりの方向性も決まった。若者が集うオープンカフェやエッジのきいた雑貨店のある、クリエイティブで賑わいあふれた開放的なまちをイメージし、さまざまな取り組みを行った。

神奈川大学の曽我部研究室の指導を受けながらカラー舗装や街路照明のデザインを検討し、アーケード撤去後の各店舗のファサードを一部改修した。北九州市と協議して、カラー舗装の仕様を決定して一部を緑化し、ゆっくりと楽しんで歩ける商店街に変えていった。2015年8月には老朽化したアーケードを完全撤去し、まちは大きく生まれ変わった。

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魚町サンロード商店街エリアマネジメント・ファシリティマ ネジメント概要

国家戦略特区による夜市の開催

2015年12月に北九州市が国家戦略特区の認定を受け、規制緩和により、公道上での飲食・物販・サービスを行うことがエリアマネジメント事業として可能になった。

2016年5月から、北九州市と協力しながら夜市として公共道路空間上でのオープンカフェ事業を開始した。敷地空間を活用したコンテナ店舗の事業や、野菜を販売する朝市やマルシェなども行っている。鳥町ストリートアライアンスの収益の一部を、アーケード撤去費の返済金の一部としている。いわゆる公共的施設たるアーケードの撤去費を規制緩和によって得た財源で賄うというスキームを構築した。

女性の若手組合員が同社の代表に就任し、女性が積極的に参加しやすい環境も整え、若手経営者や女性経営者が参加し、意見が反映できる組織に変わっていった。正月や七夕の飾り、ハロウィンパーティーなど手作りのイベントを開催している。町内会、青年部とも連携し、幅広い人材の確保・ 後継者育成なども行っており、リノベーションスクールを 開催している。

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魚町サンロード商店街まちづくりを核にしたエリアマネジメントとファシリティマネジメント

●サービス提供者
・株式会社鳥町ストリートアライアンス
・株式会社北九州家守舎
・鳥町四丁目町内会
・鳥町まちづくり会議推進協議会
・東京美装興業株式会社

●講評
北九州市の都心に近い商店街におけるまちづくりに関する応募。国家戦略特区認定、公道の商業利用、アーケード撤去とまちのリノベーション、民間まちづくり会社、道路管理まで含めたエリアマネジメントなどの手法を商店街の住民参画で実現し、運営を続けている。実績としては1年間程度、撤去したアーケードもまちづくりとしては狭い範囲にとどまるが、裏通りの商店街の暗い、不安全というイメージの払拭に成功している。まちを愛する住民の支援、北九州市など公的機関の支援、表の商店街とつなぐ役割をもつビッコロ三番街との連携など、近隣のリノベーションと併せて、まちの活性化に貢献している点を評価したい。道路の活用が対象という、FM の概念を超える応募で、特別賞となった。