第12回(2018)

最優秀FM賞(鵜澤賞)

  • 公共
  • 地域貢献
  • まちづくり

ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス ―「アクションの連鎖」―

武蔵野市
公益財団法人武蔵野生涯学習振興事業団

ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス ―「アクションの連鎖」―

地域の賑わいや活性化に

ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス( 以下、武蔵野プレイス) は2011年7月にJR中央線武蔵境駅の南口駅前に開館しました。基幹機能となる図書館と生涯学習支援、市民活動支援、青少年活動支援という4つの機能を集めた施設です。年間195万人の来館者があり、2017年7月には延べ来館者数が1,000万人を超え、武蔵境のランドマークとなっています。

武蔵野生涯学習振興事業団が、指定管理者として運営・維持管理を行っています。北側の公園と一体的な管理をすることで、有機的なつながりもできています。武蔵野プレイスの整備と同時期に、鉄道の高架化や南北自由通路が実現され、利便性やまちのイメージが向上しました。市民にも地域に対する誇りが生まれ、街全体が活気づいています。

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1階のパークラウンジ

気付きや出会いを誘発する空間

一般に複合施設は複数の機能が1つの建物にあるというだけで、管理主体は別々で、各々にオフィスがあります。しかし、この施設は、従来の枠組みを超えた管理方法や配置の工夫などで、複数の機能が集まるメリットを最大限に活かし、利用者の多様な活動や利用のために、これまでにない新しい価値を持つ施設としました。

利用者の利便性を考えて9時30分から22時まで開館しています。さまざまな活動に対応できるように、各階は大きさの異なるルームが緩やかにつながっています。この空間を自由に回遊できる、空間ブラウジングというコンセプトによって施設配置をしていることが特徴です。
来館者は、意識することなく、来館目的以外の活動や情報にも自然に触れることになり、さまざまな気づきや出会いが生まれています。そういった場、プレイスをつくることが私たちのミッションです。それを実現するためにハードとソフトは車の両輪であるといえます。

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フロア構成

カフェでクールダウン

地下2階から地上2階にある図書館は、さまざまな年代やライフスタイルに対応する滞在型図書館を目指しています。
蔵書数は図書18万冊 、雑誌600タイトル 、 新聞30紙で、貸出数は中央館をはるかに超えています。
1 階のカフェには本の持ち込みも自由です。さらに17時からはアルコールも提供しています。ビジネスパーソンは仕事が忙しく、なかなか公共施設を利用できませんが、ここは夜10時まで開館していますので、仕事帰りに立ち寄り、読書をしながらコーヒーやワインを飲んでクールダウンできる場所にしたいと考えました。

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3階 さまざまなグループで賑わう市民活動エリア      パークラウンジにあるカフェ

青少年の居場所づくり

メインライブラリーを地下1 階に配置し、落ち着いた環境をつくる一方、2 階にはこどもライブラリーや生活関連図書をテーマごとに並べたテーマライブラリーを配置することで、お子さん連れの方も安心して滞在でき、親も子も一緒に楽しめます。

地下2 階のアート&ティーンズライブラリーは、芸術・美術系の本や青少年向けの本・雑誌を集めています。その隣にあるティーンズスタジオでは、楽器演奏やダンスのできる部屋があり、読書やおしゃべりなどができるスタジオラウンジがあります。ここでは勉強も音楽も飲食も可能です。電気ポットや電子レンジも用意してあります。多い時で1 日600 人くらいが集まります。

個人は以前にもましてコミュニティから遊離した状況に置かれやすくなっています。交流できる場として公共施設はこれまでよりも重要度が増しているのではないかと考えています。
「目的利用」から「状況利用」へ形態を変化させ、末長く愛され、利用される公共施設であるためには、コンセプトを実現するための建物や設備とともに適切な運営が重要であり、機能を進化させ、使い方はユーザーが進化させていく施設です。

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地下1階 メインライブラリー

●サービス提供者
・有限会社kwhg アーキテクツ
・Cafe Fermata

●講評
武蔵野市立の旧西部図書館を武蔵境駅前に移転拡充し、図書館、生涯学習センター、市民活動センター、青少年センターなどの複数の機能を積極的に融合させた複合施設の活用に関する応募である。図書や活動を通して、ひとが出会い、知識や経験を共有・交換しながら、知的な創造や交流を生み出し、地域社会(まち)の活性化を深められるような活動支援型の公共施設をめざしている。青少年だけの利用スペース、会話のできる子供連れのスペース、社会人用の有料コワーキングスペースなど活発な活動を誘発する施設運営は、高く評価できる。施設計画のブリーフィングの成果として、カフェなどニーズに裏付けされた施設と開館時間の長い運営などがあり、6年目で、累計利用者数が1,000万人を超える。