第10回(2016)

優秀FM賞

  • ワークプレイス
  • エンゲージメント

イノベーションを生み出す新しいワークスタイルを目指して

カルビー株式会社

イノベーションを生み出す新しいワークスタイルを目指して

新生カルビーを象徴する本社移転

2009年6月、創立60周年を機に、資本と経営の分離を決意したカルビーは、新生カルビーを目指し、新会長、新社長のもとで経営体制を刷新した。

代表取締役会長兼CEOの松本晃、代表取締役社長兼COOの伊藤秀二は2009年に就任以来、全国の工場・営業拠点に出向いて経営方針等を説明するとともに従業員からの質疑に答えるタウンホール・ミーティングを継続している。
さらに松本会長を塾長、松尾相談役を名誉塾長とした「松塾」を全国各地で年10回開催し、学ぶことの大切さについて、塾長らと従業員が所属部門や役職を越えて対話するなど、経営トップと従業員が直接語り合う機会を積極的に作っている。
並行して、ライフワークバランスを重視した効率的な働き方を後押しする制度や仕組みを導入。優秀な人材が活躍し続けることができる環境づくりを進めている。

4カ所(赤羽・八重洲2カ所・東上野)に分散していたカルビーグループ会社のオフィスを1つに統合した2010年の本社移転は、新生カルビーが次代に向けたスタートを切るための象徴となった。

カルビー イノベーティブ フィールド

新オフィスのコンセプトは、カルビー イノベーティブフィールド(Calbee Innovative Field:イノベーションを生みだすフィールド)である。ビジネスの核はじゃがいも。
良い畑からは良いじゃがいもが獲れるように、従業員も良い環境が整っていれば良い仕事ができ、新しいものを生みだせるという発想が根底にある。

松本会長は、オフィスやワークスタイルについて、3つのメッセージを出している。

1つめは、「分断されたカルビー本社を全員が互いに見渡せるフラットな環境におくことが大事」(人間は、横には動くが、縦には動かない)。同じフロアだと自然とコミュニケーションを取るが、上下フロアには移動しないとして、可能な限りワンフロアで見通しの良いオフィスを目指す。

2つめは、「オフィスはゴミ箱ではない。いい知恵を出す場である。書類はいくらもっていても1円も生みださない!」(No meeting, no memo. )。膨大な紙の資料を廃棄すると同時に、会議を減らし、会議のための資料作成もなくすことを進める。

3つめは、「もっと外へ!顧客へ近づけ!」(Office is the most comfortable place. Office is the most dangerous place :オフィスはもっとも快適な場所であり、最も危険な場所.)。オフィスでいつも同じ席に座り、いつも同じ顔触れで目新しい情報交換もなく仕事をしていても何も生みだせない。個人にPCと携帯電話が貸与されており、可能な限り現場に行くように推奨する。

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環境づくりを継続整備

移転プロジェクトチームが移転後に短期間で解散し、スムーズに総務部門への引き継ぎができたことは、設計した仕組みがシンプルかつ持続可能だったことが大きい。移転後にはダイバーシティ委員会を発足し、ライフワークバランスを重視した効率的な働き方を後押しする制度や仕組みを導入。優秀な人材が活躍続けることができる環境づくりを継続整備している。

新オフィスは新しい仕事のアイデアや、部門の壁を越えたコラボレーションにつながり、新規事業開発も促進して7期連続の増収増益となった。また、オフィスや女性活躍が取材されることによるメディア露出が増え、従業員のモチベーションアップにもつながり、結果として、カルビーに対する外部評価が上昇した。

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●サービス提供者
・コクヨファニチャー株式会社

●講評
ペーパーレス化、フリーアドレス、アクティビティセッティングのワークプレイスを5年間運営維持している。オフィスは知恵を出す場など、経営者のワークプレイスに対するビジョンが明確で、それを実践する現場の業務も活用されている。本社オフィスの改革として、統合化、従業員の意識改革、ワークプレイスによるコミュニケーションの活性化など、継続的に取り組まれている。フリーアドレスの失敗を活かした施策などPDCAを回して継続的改善があり、支店での横展開もされつつある。2009年新会長、新社長のもとで経営体制を刷新して以降、6期連続の増収増益を達成していることも高く評価された。